かつて、故大島渚監督が討論会などで主張していたことであるが、軍隊というものはその存在そのものが戦争に通じる危険なものであると。
大島渚監督を知らない若い人に少し解説するが、彼は1932年生まれ、今年の1月に亡くなった映画監督で黒澤明監督のように日本だけではなく外国でも有名な監督だ。
反戦を唱える割には激情家で、討論中に興奮し相手を罵倒することもしばしばあった。
その激情家の大島さんが、非武装論を唱えていた、いわば攻撃的非武装中立論であった。
なにが言いたいかというと、彼の主張が現在のどこぞの国にあてはまると感じたからだ。
軍の主な仕事は災害救助ではなく、武器を持って戦うこと、もしくは武器を背景にして敵の侵入を防ぐことである。
祖国を守るためという大名目があるが、国の富が増し、軍に十分な予算が割り振られてくると軍というのは一人歩きを始める。
次の年で予算を削られないよう、仕事を増やして自分たちの仕事が国家にとって必要だというアピールをする。
そして、今の平和は本当の平和ではなく欧米が勝手に作りあげたもので、自分たちはずっと損をしながらも我慢してきたと。
国力がついてきた今、ようやく200年前の屈辱を晴らすときであるということであろう。
軍国化した日本が第2次世界大戦に突入していったことを非難している国が、その後をなぞろうとしているような気がする。
EUのようにヨーロッパの平和のために多くのお金を費やしているのとま逆の行動だ。
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